預け荷物の遅れは21日、破損は7日以内に請求 補償の上限は約6万9,000バーツ
国際線で預けた荷物が届かなかったり、壊れて出てきたりしたとき、航空会社に補償を求めるには期限がある。壊れていた場合は受け取ってから7日以内、遅れて届いた場合は受け取ってから21日以内に、書面で申し出なければならない。タイ発着の国際線の多くにはモントリオール条約が適用され、補償の上限は乗客1人あたり1,519SDR(国際通貨基金の特別引出権)、10月9日の換算で約6万9,000バーツである。
9月26日から30日にかけて、スワンナプーム空港ではタイ国際航空の地上業務が乱れ、預け荷物が大量に滞った。運輸省と空港公社(AOT)は10月9日、タイ国際航空との地上業務の契約に、約束を守れなかったときの罰則を加える方針を示した。この期間の荷物のうち80個は、まだ持ち主に届いていないという。
モントリオール条約は、国際線の乗客と荷物の扱いを定めた条約で、タイでは2017年10月2日に発効した。預けた荷物がなくなったり壊れたりしたときや、遅れて届いたときの損害を、航空会社が補償する仕組みを定めている。遅れについては、航空会社が防ぐための手を尽くしたと示せた場合は責任を負わない。航空会社が荷物をなくしたと認めるか、届くはずの日から21日たっても届かなければ、乗客は荷物をなくしたものとして請求できる。
補償の上限は、国際民間航空機関(ICAO)が5年ごとに見直していて、2024年12月28日から1,288SDRが1,519SDRに上がった。上限を超える価値の物を預けるなら、預けるときに価値を申告し、追加の料金を払っておく方法もある。
荷物が出てこなかったら、空港を出る前に航空会社の手荷物の窓口で届け出て、「手荷物事故報告書(PIR)」を受け取る。PIRの番号は、その後の問い合わせと請求のすべてに使う。荷物が届くまでに買った洗面用具や着替えも、上限の範囲で補償を求められることがあるので、領収書を残しておく。
荷物が壊れて出てきた場合も、その場で窓口に見せて記録を作ってもらうのが確実である。家に帰ってから気づいたときも、受け取った日から7日以内に書面で申し出る。7日や21日の期限までに申し出がないと、条約の上では航空会社を訴えられなくなる。航空券の控え、荷物の預かり証(バゲージタグ)、搭乗券、壊れた箇所の写真も手元に置いておきたい。
10月16日からは、タイのすべての空港で、X線の検査で危険物などの疑いがある預け荷物を、持ち主が立ち会わなくても保安の担当者が開けて調べられるようになる。開けた荷物には検査したことを知らせる紙が入り、検査の様子は録画される(8月19日の記事)。TSAロック以外の鍵は壊されることがあるので、鍵を掛けるならTSAロックを選び、貴重品や壊れやすい物は機内に持ち込みたい。
Refs.
- ICAO - Administrative Package for Ratification of or Accession to the Montreal Convention 1999 (revised limits of liability, PDF)
- The Nation - Thailand plans penalties in Thai Airways ground handling contract
- legislation.gov.uk - Carriage by Air Act 1961, Schedule 1B (Montreal Convention text)
- Canadian Transportation Agency - Compensation for lost, damaged and delayed baggage
- Watson Farley & Williams - Thailand ratifies Montreal Convention
- IMF - SDR Valuation, currency units per SDR