配車アプリの取り締まりが10月1日厳格化 全運転手に公共免許義務付け、減点制も
2026年10月1日から、タイ運輸省陸運局(DLT)はグラブ(Grab)やボルト(Bolt)などの配車アプリに対し、未認可車両や公共運転免許を持たない運転手の配車を対象とした本格的な取り締まりを開始する。9月30日を期限としてすべての登録運転手に公共運転免許(Public Driving License)の取得が義務付けられており、バンコク首都圏をはじめとする全国で利用者の安全確保と適正運用の徹底へ向けて規制が一段と強化される。
今回の厳格化に合わせて、陸運局はプラットフォーム事業者を評価・監視する「アプリ成績表(タイ語でサムット・ポック・アップ、Samud Pok App)」制度を正式に稼働させる。グラブ、ボルト、インドライブ(inDrive)、タダ(TADA)、ラインマン(LINE MAN)などの認可配車アプリに対し、四半期ごとに100点の基本点数を付与し、公共運転免許を持たない運転手に配車依頼を出したり、旅客登録されていない車両を運行させたり、法定の上限運賃を超過して徴収したりする違反が発覚するたびに点数を差し引く仕組みである。
減点によって持ち点が危険域に達したアプリ運営会社に対しては、警告にとどまらず、段階的に3日間、7日間、15日間、最大30日間の業務停止命令が下される。違反が繰り返され改善が見込めない場合には、最悪の措置としてプラットフォーム運営認証の取り消し処分が科される。さらに、無免許や無認可車両で旅客運送を行った運転手個人および車両所有者に対しても、陸運法に基づく罰金刑や拘禁刑などの厳しい刑事罰が適用される。
タイでは自家用車(白ナンバー)による配車サービスが生活の足として定着してきた一方で、従来の黄色ナンバーのタクシー業界との公平性や、運転手の身元確認、万一の事故時の乗客補償が課題視されてきた。陸運局はこれまで特別窓口を設置し、時間外講習や集団適性検査を実施して運転手の公共免許取得を後押ししてきたが、9月30日の期限をもって猶予措置を完全に打ち切る方針を明確にしている。
10月1日以降にバンコクや主要都市で配車アプリを利用する読者は、認可を受けた適格運転手に絞られる影響で、雨天時や朝夕の通勤ラッシュ時に車がつかまりにくくなる可能性を念頭に置く必要がある。また、乗車時にはアプリ画面に表示される運転手の顔写真や氏名、車両の登録番号が、実際に迎えに来た車両と完全に一致しているかを必ず確かめたうえで乗り込むことが自衛のために欠かせない。
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