メコンに火の川が流れる ナコンパノムの灯籠船、出安居に合わせて
タイ東北部のナコンパノムで、メコン川に光る船を流す行事があります。「ライ・ルア・ファイ(Lai Reua Fai)」と呼ばれるもので、イサーン地方でもとりわけ見ごたえのある祭りとされています。
行われるのは毎年、ワン・オーク・パンサー(出安居)の前後です。雨期の3か月間、僧が寺にとどまる安居が明ける節目にあたり、年によって日付が動きます。
船は竹で骨を組み、色紙や布を張って、何千という灯りを付けたものです。全体で大きな造形になっていて、ナーガ(龍蛇)や寺院、神仏、仏教の場面がかたどられます。地元の集落がそれぞれ何週間もかけて作り、できばえを競います。これが日が落ちてから川面を下っていきます。
もとは、バナナの皮と竹で小さないかだを組み、ろうそくを立ててブッダとナーガに捧げる習わしでした。タイ・ラオ系とプータイの人びとのあいだで受け継がれてきたもので、川の霊に許しを請い、悪いものを流すという意味も持っています。いまのような大がかりな船になったのは、その延長です。
ナコンパノムはメコン川を挟んでラオスと向かい合う県です。第3タイ・ラオス友好橋があり、対岸のカムムアン県へ渡れます。バンコクからは空路が通じていて、県庁所在地の川沿いには遊歩道が整えられています。
見に行くなら、日程を先に確かめる必要があります。出安居の日付は毎年変わるうえ、船を流す時間は日没後に限られます。宿は川沿いに集まっていて、祭りの時期は早くに埋まります。
タイに住んでいると、灯りを流す行事としてはロイクラトンのほうが身近です。あちらは11月の満月の夜に小さな灯籠を流すもので、こちらは10月ごろに大きな船を流すもの。同じ川の祭りでも、規模も由来も別のものとして見ておくと分かりやすいと思います。
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