タイ当局、外国人名義のSIMカード不正を厳罰化 1人3枚制限と本人確認
タイ国家放送通信委員会(NBTC)とタイ王立警察は、国境地帯や周辺国を拠点とする大規模なコールセンター詐欺グループの通信網を遮断するため、外国人名義の携帯電話SIMカードに対する本人確認審査と不正所持の取り締まりを強化した。9月以降、外国人がタイ国内で契約できるプリペイドおよびポストペイドのSIMカード枚数を通信事業者1社あたり原則3枚までに制限する運用が厳格化され、正規の手続きを経ずに街頭やネット通販で不正流通していた回線の強制停止措置が一斉に進められている。
タイ国内ではこれまで、架空の身分証明書や第三者のパスポートの写しを悪用して大量に登録された「ゴーストSIM」や、違法に名義を貸し借りする「ミュールSIM」が深刻な社会問題となっていた。これらは特殊詐欺やマネーロンダリングの通信経路として犯罪組織に重宝され、一般市民に巨額の金銭被害をもたらしてきた。事態を重く見たタイ政府はサイバー犯罪防止法の改正を進め、通信事業者に対して身元確認の厳密化と不審な大量発信回線の即時遮断を義務付けていた。
今回の本格的な運用強化により、大手通信会社の直営店や正規販売代理店の窓口では、旅券(パスポート)の原本を用いたICチップの電子読み取りと顔認証による生体照合が必須となった。短期滞在者向けのツーリストSIMについては利用期間が原則60日間に制限され、これを超えてタイ国内で継続利用する場合は、正規店舗に出向いてパスポートを提示し再認証手続きを行わなければならない。他人に不正利用させる目的でSIMカードを売買・譲渡・貸与した者には最高3年の禁錮刑、または30万バーツ以下の罰金が科される。
タイに滞在する外国人や長期居住者は、自らのパスポート番号で何回線のSIMカードが登録されているかを各通信キャリアの公式スマートフォンアプリや直営店舗の窓口で確認することが推奨される。身に覚えのない回線が登録されている場合は、直ちに利用停止を申し立てて警察へ届け出る必要がある。また、空港や街頭の非公認ブース、路上露店で売られている事前アクティベーション済みのSIMカードは購入せず、必ず通信キャリアの正規店舗で自らの旅券を提示して購入・開通手続きを行うことが不可欠である。
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